電子イヤーマフを狩猟で使用する際に重要になるのが、周囲の環境音や獲物の足音の聞こえ方です。
聴覚保護を優先して獲物の足音を犠牲にするのも躊躇われますよね。巻狩り等のグループ猟ではなおさらです。
様々な電子イヤーマフが存在しますが、今回はその中でも上級ランクに位置するSordinのSupreme Pro X LEDという電子イヤーマフを紹介したいと思います。
外観・仕様
見た目はオーソドックスなイヤーマフの形状です。
操作ボタンは3つで、音量の上げ下げと電源オンオフのボタンです。
後述しますが、このボタンで4つの集音モードの切り替えも操作します。
騒音減衰指数のSNRは25dB、NRRは19dBとなっています。
他メーカーの上位モデルと比較すると若干低めかもしれませんが、このイヤーマフは公式サイトでもハンティングのページに分類されているので、屋外で運用する分には十分な防音性能となっています。
屋内の射撃場では耳栓と併用するのが良さそうです。
またモデル名にもあるように、LEDライトが装備されています。
使うシーンは限られますが、結構明るいです。
イヤーパッドは標準でジェルパッドが装着されており、付け心地は非常に快適です。
柔らかくて密着し、長時間の使用でも不快感が少ないです。
電源は単4電池2本ですが、出し入れにかなりクセのある作りになっており、慣れるまで苦労することになります。
何度か出し入れすると固さも和らいでやり易くはなります。
狩猟での使用感
音質・指向性はかなり良い
まず自宅で試しに装着してみたときに感じたのは、サーっというホワイトノイズが若干すること。
他のイヤーマフでももれなく聞こえるホワイトノイズですが、Sordinならもしかするとないのかも・・・と考えていましたが、そんなことはありませんでした。
ですがそのノイズも屋外では全く気になりません。
また音質は相当良くて、会話する声もとてもクリアに聞こえます。
当然ボリュームを上げれば周りの音もよく聞こえますし、獲物の足音やどの方向から来るのかもかなり分かりやすいです。
集音の音量を上げれば通常よりも大きく聞くことが可能で、遠くの足音が聞きやすくなります。
音量は6段階で調整可能。
無線機を繋いでグループ猟も可能
Sordinには3.5mmの入力ジャックが備わっているので、巻狩り等のグループ猟で必須な無線機を接続することができます。
イヤホンの代わりに3.5mmのAUXケーブルを接続すると無線の声が聞こえます。
このコードは付属しています。
4つの集音プロファイル
Sordin Supreme Pro X LEDには集音プロファイルを4つの中から選択することができるようになっています。
HUNTING
最も主要なプロファイルあり、音質は通常の狩猟に最適化されています。
クリアな会話が可能であり低ノイズと、バランスの取れたモードです。
SHOOTING
音の増幅が低く抑えられ可聴周波数スペクトルが限定されます。
射撃場での使用に向き、会話も可能です。
FOCUS
高い増幅度と、より広い周波数スペクトルが特徴で周囲の状況認識に最適です。
獲物の足音を集音したい場合等に使用します。
COMMS
周囲の音が遮音され、3.5mmの入力のみが聞こえるモードです。
騒がしい環境でも無線の声は聞こえます。
普段の狩猟ではHUNTINGモードを使用し、特に遠くの足音や物音を聞きたいときにはFOCUSを使うといった感じで運用すれば良いと思います。
射撃場ではSHOOTINGで遮音重視で使います。
色々なイヤーマフを狩猟で使ってきて、どれも完全に満足は出来ていませんでした。
Sordinは価格も最上級ランクに入ってくると思いますが、性能も比例していると感じています。
何もつけていないときの生音にできる限り近づけたい、そんな思いでSordinを購入しましたが、ほぼ理想に近い聞こえ方で非常に満足しています。