12番散弾銃用 真鍮薬莢の話

ハンドロード

散弾銃の薬莢は通常、プラスチックに底のロンデル部分だけが真鍮や鉄の金メッキの物になります。
しかし、ライフルや拳銃のように散弾銃にも真鍮のみの薬莢が存在します。
昔は真鍮薬莢も使われていたそうですが、現在ではほぼ見かけることはありません。
今回、そんな真鍮薬莢を手に入れることができたので少し紹介してみたいと思います。

外観・形状

サイズ感はプラスチック薬莢とほぼ変わりません。
ただの真鍮の筒で、底に雷管の穴が空いている感じです。

決定的に違うのが雷管のサイズ。通常の209雷管よりも穴が小さいです。
これでは散弾銃用雷管は使用できませんね。
海外の真鍮薬莢の販売ページには、ピストル用の雷管を使用せよとの記載がありましたが、日本では手に入れることができません。
この件について狩猟仲間に聞いたところ、はやぶさ雷管というものが適合するそう。
ピストル用雷管とはやぶさ雷管が同サイズなのか定かではありませんので、今度銃砲店で相談してみようと思っています。

荒技で209雷管に適合させる

こんな動画を発見しました。ドリルで雷管挿入部分の穴を広げて209雷管を使えるようにしています。
相当強引な気がしますが、この方法で問題なければ真鍮薬莢を使う上でハードルがかなり下がります。
薬量を少なめで、散弾重量も軽めであれば撃てるかもしれません。

試しに穴を広げてみました。
ピッタリのサイズのドリルがなかったので卓上旋盤を使用。

こんな感じに広げることができました。
散弾用の雷管を嵌めてみると・・・

うまく嵌りました。穴のサイズは結構シビアで、ちょっと広げすぎるとスルスルになってしまいます。
プレスしてやっと入るくらいのサイズにしておかないと外れてしまい危険ですね。

薬莢内径・クリンプも通常の薬莢とは違う

薬莢内径サイズの違い

プラスチック薬莢と比べると内径サイズも違い、真鍮の方が大きいです。
ということは、今まで使っていたワッズやガスシール、ファイバーワッズすべて使えないということになります。
そのため、厚紙やコルク等をポンチで切り抜いて送り部分を自作しないといけません。
以前、プラスチック薬莢用のカードを切り抜くのにポンチを自作したことがあるので、その要領で真鍮薬莢用のサイズでもう一つ作ろうかと思います。

クリンプはできないのでロウで固める

プラスチック薬莢の場合、最後は口をスタークリンプかロールクリンプで仕上げますが、真鍮の場合はロウで固めます。
Youtubeをみるとグルーガンを使う方もいるようです。

このように、真鍮薬莢は非常に手間のかかる物だということがわかりました。
実用性はプラスチック薬莢に敵いませんが、ロマンのある遊びということで楽しみながらやってみたいと思っています。

コメント

  1. 黒猫 より:

    真鍮薬莢、良いですね!まさに西部開拓時代を思わせるロマンいっぱい!

    当時はピストルの雷管を共用していたので、今でも同じ構造で作り続けているんですね。

    確かにプラスチックのハルやワッズと比較すると手間のかかるものですが、当時としては手軽にリローディングできる、画期的な製品だったのでしょう。

    真鍮の後で紙のハルが世に出たそうですが、映画マッドマックスでもあったように湿気てダメになるから不人気だったとか。

    私もそのうち、リローディングしてみたいです!

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